「チェコの電車の運賃って超安い!」というニュース記事をこないだ見まして、「あ~そーいやぁそーだなぁ」なんて今さらながら思い出し、ちょっと書いてみようと思いました。
そのニュース記事ではフランスの学生さんのインタビューを取り上げておりましたが…
「私は電車をよく利用します。 フランスの学生としては私はフランスの鉄道を高く評価しています。高速TGV鉄道だとボルドーからパリまでわずか2時間で到着できるのは素晴らしいです。
ですがチェコに引っ越してみるとチェコの鉄道システムの恩恵と質の高さを実感しました。
何よりも、チェコの鉄道運賃の手頃な価格は ”フランス市場で最も安い” と宣伝している一部のフランスの鉄道会社を恥じさせます。」
との事で、私はフランスの電車の運賃をよく覚えてはいませんが、ひとまず頻繁に利用するチェコ周辺国への路線では、チェコの鉄道会社でチケットを買った方が驚く程に安いのでオーストリアやドイツなどに行く時にはいつもチェコの鉄道会社でチケットを買っています。
例えばですが、ひとつあげてみますと…よく旅行者の方々が利用されます「プラハ~ウィーン間」の電車、
チェコ鉄道だと1,008コルナ
オーストリア連邦鉄道だと57.50ユーロ
となります。(2024年3月25日の1等車チケットをひと月前の2月23日に購入した場合)
これを日本円にすると
チェコ鉄道の1,008コルナは約6,400円
オーストリア連邦鉄道の57.50ユーロは約9,300円
となります。(2月23日のレート)
どうです、3,000円も違います。すごいですね。
これ、全く同じ電車ですからね。車両も座席も同じです。ただ購入したサイトが異なるというだけです。でもこれはまだそんなに差はない方で、もっともっと料金に差が出ることがあります。2倍くらい違う事もあります!(こちらでは電車の運賃も航空券みたいに変動します)
上記の料金は1等車の料金ですが、私的にはこのチェコ鉄道の6,400円ですらも「いや、たっかいねぇー」と感じます。2等車とかにするとかなりさらに安くなり約4,000円程です。もっと安い路線(1時間くらい余計にかかる路線)だと約2,900円!やっす!しかもこれで座席指定とか無料ですから!…やべぇすね。
購入する鉄道会社によって同じ電車でもこれだけ料金に差が出ます。
これは同じ路線の電車でのチェコ鉄道サイトとオーストリア連邦鉄道サイトでの料金比較ですが、単純に同じくらいの移動距離での運賃も、周辺国と比較したらチェコの鉄道の運賃はとても安いです。(ですがポーランドに行くときはポーランド鉄道”PKP Intercity”で買う方が安かった…)
なので興味ある方は是非各々の色々なサイトで比較してみてください。スマホやパソコンなど手元で購入サイトを変えるだけで安くなるんですから。ヨーロッパを鉄道で周遊される方で少しでも移動費を節約したい場合はこれはとても有効な手段です。
そして、ヨーロッパでの鉄道旅行で人気のユーレイルパス。これは乗り放題で非常に便利ですが、性質上座席の予約はパス購入時にされないので別で後ほど予約をしないといけません。
これ、長距離移動だと結構深刻で、「座席なんて空いてる席があればどこでもいいよ。」と思っても、路線や季節、時間帯によっては車内がギュウギュウ詰めで座る席どころか通路もスシ詰め状態で、そんな中数時間という長い間立ち続けないといけないという恐ろしい事になってしまいます…(誇張などではなく私は幾度もその様な状況を見ています…)。
なので、乗車する電車の車内状況が予想できそうにない場合、座席の予約が可能な電車では私としては絶対にしておくべきかと思います。(というか座席を確保しないと乗車できない路線も結構あります)
そして料金についても、例えばユーレイルグローバスパスで一番人気の「7日間315ドル(2等車)」だと日本円で47,000円ほど(2024/3/14)。
この料金は、「プラハ・ブダペスト・ウィーン・ザルツブルク・ミュンヘン・ドレスデン」辺りの中欧を毎日電車で移動してなんとか元が取れそうな気もするかな?どうかな?いや無理かな?といった感じの料金です。ひとまず上記の「プラハ~ウィーン間」の料金の2等車約4,000円とか2,900円(座席指定も無料!)を参考にしてみてください。
しかし…どうですかね、私が知る限り、一般的な旅行者は国をまたぐ様な長距離の移動を毎日する人っていないと思われます。旅行会社のパッケージツアーでのバス移動ならともかく。
その辺りはそれぞれの旅行者のプラン次第ですが、ユーレイルパスの場合は中欧だけではなくヨーロッパ全土を周遊するかなりの長距離移動をひと月くらいの長期間に渡って続けるという様な人にとってはかなり安くなります。
ただ基本的なユーレイルパスの旨みはなんといってもいちいち別個チケット購入する面倒がない事と、かなり前からしっかりとしたスケジュールを決めなくても電車に乗れるという事です。
あらかじめ綿密な旅行プランを立てるわけでもなくここに旨みを最大限に感じる方は、料金比較はともかく、ユーレイルパスは最強でしょうね。
ですが、もう一度書きますが、座席の指定はしておいた方が良いですよ…。
あまり知られていない事ですが、EU内でチェコは人口比で最も鉄道線路の量が多く、表面積も広いんです(国土面積あたりだとスイスに次いで2位)。チェコ人の鉄道好きっぷりがよくあらわれています。とりわけチェコの有名人だと、あの大作曲家「アントニン・ドヴォルザーク」の鉄オタぶりは知られまくっています。(愛読書は時刻表・趣味は機関車の製造番号、車体番号を集めるために各地の駅を巡る事)
ですが、そこでかなりの人が思う事が「安けりゃ車両もそれなりだろな。」かと思いますが…、一度乗ってみて頂くと理解して頂けますが、非常に快適です。
とりわけ私は「RegioJet」という私鉄の電車があればいつもそれに乗っていますが、車内販売も充実していますし車両内は静かで綺麗で清潔なので、電車の長旅も楽しくなります。なによりも車窓が素晴らしい!高速道路ではないヨーロッパの田舎の風景の中に入り込んでスゥ~っと電車は走っていきます。ずーっと外を見てられます。
「安かろう悪かろう」の法則を見事に打ち破るのがチェコ鉄道です。
チェコを訪れて中欧周遊をされる機会が御座いましたら、是非チェコの鉄道会社でチケットを購入して頂いてチェコ鉄道を体験してみてくださいね。きっと電車の旅が好きになります。
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